2017年公開の文部科学省国立教育政策研究所が行った「全国学力・学習状況調査」によると、全国の小学生が塾に通っている割合は、約46%。2人に1人程度の割合で、塾に通っている計算です。塾は何をポイントに選べば良いのでしょうか。失敗しない塾選びのポイントをご紹介します。
1. 目的によって異なる塾選び
塾を選ぶときには、塾に通う目的を明確にすることと、何を目的とした塾なのかということのマッチングが重要です。ひとくちに塾といってもさまざまなタイプがあります。もし中学受験を予定しているのなら、計算が早くなるためだけの塾では、中学受験にはとうてい太刀打ちできないでしょう。
反対に、学校の勉強についていくために塾に通うという場合、受験対策用の特殊な授業を行う進学塾では、宿題や授業時間が子どもにとって負担になってしまうことも考えられます。塾に通う目的と、塾のスタイルのバランスをきちんと見極めて塾を選びましょう。
2. 塾の種類は大きく2つ
塾の種類は、補習塾と進学塾の大きく2つにわかれます。それぞれどのような塾なのか、まずは理解しておきましょう。
2-1. 補習塾
学校の授業対策を目的としているのが補習塾です。学校の勉強でわからなかった部分の復習と、次の授業にスムーズについていくための予習をメインに勉強します。補習塾は地域の小学校の教科書をベースにした授業を行うのが一般的です。
特に小学6年生の場合は、中学校という次のステージに上がる前に、塾に通うこと自体に子どもが慣れるためや、勉強が難しくなる中学生になる前に、基礎となる小学生の勉強をきちんと身に付けておくために通うことが多いでしょう。
2-2. 進学塾
いわゆる中学受験対策塾が進学塾です。中学受験は、高校受験や大学受験とはまったく異なるものといっても過言ではありません。高校受験や大学受験は、学校での授業がベースになった試験が行われますが、中学受験はそうではありません。
受験問題に対する対策や勉強を行うのが進学塾です。中学受験では、小学校で学ぶ勉強とはまったく別の解き方をする問題などが多く出題される傾向にあります。中学受験を考えている家庭では、小学3年生頃から進学塾に通うことも多くあります。
3. 補習塾の選び方
補習塾は小学校の授業がベースになるため、必然的に地域の小学校の教科書やレベルに合った、地域の補習塾を選ぶことがポイントになります。「塾に通う」ことに慣れるために行くのであれば、通いやすさをポイントに選ぶことをおすすめします。
立地条件だけでなく、子どもの仲の良い友達が通っているところに見学へ行ったり、体験授業を受けてみたりするのも良いでしょう。ほかにも習い事をしている場合は、曜日のバランスも考慮しましょう。
4. 進学塾の選び方5つのポイント
中学受験を検討している場合は、「結果」が付いてくるものなので、少し慎重に塾を選ぶ必要があります。選び方のポイントをまとめてみました。
4-1. 合格実績
中学受験を控えている場合、やはり気になるポイントは合格実績です。目指す中学が国立校なのか私立校なのかによっても、塾によっては強い弱いがあるため、データをきちんとチェックすることをおすすめします。塾から何人合格者を輩出したかというよりも、受講生のうちの何%が合格したのかという点をチェックすることも大切です。
4-2. 授業スタイル
進学塾を選ぶ場合は、授業スタイルも大切になります。入塾後にコースの変更ができない塾や、定期的なテストが行われ、頻繁にクラスが変わる塾など、塾のスタイルはさまざまです。レベルの分け方も、ざっくりとしているところもあれば、細かなクラス分けがされているところもあります。実際に通塾している知り合いがいる場合は、詳しく話を聞くなどしてリサーチしてみましょう。口コミサイトも有効です。
4-3. 宿題の量
進学塾は受験が近づくにつれ、宿題の量が増えていくところが大半ですが、宿題の量は塾によって大きく異なります。自宅で宿題をするのが苦手という子どもの場合は、かなり大きな負担になってしまい、それが原因で塾をやめてしまうケースも少なくありません。宿題の量やペースが子どもに合うところを探してみましょう。
4-4. 通いやすさ
受験が近づくと通う頻度が多くなり、終了時間が遅くなる傾向にあります。都市部や規模の大きなクラスのほうが講師陣は充実しているため、遠距離でも通うという家庭もありますが、小学6年生になったときに子どもの睡眠時間などに負担がかかってしまうことも。通いやすさも、塾選びの大切なポイントのうちのひとつです。
4-5. 親の関わり方
授業を休んだときには、家でしっかりと親が勉強をフォローしないと、次の授業についていけないというようなスピード感のある授業を行う進学塾も少なくありません。休日や夜間にお弁当を用意しなければならない塾も多くあります。経済的な負担もとても重要なポイントです。
進学塾は親の負担も大きくなりがちです。子どもに合うかどうかをチェックすると同時に、親自身とも合うかどうかを確認しながら選ぶことをおすすめします。
5. 集団授業と個別授業、どちらが良いの?
補習塾や進学塾に関わらず、塾選びの際に悩みがちなのが、集団授業と個別授業のどちらを選ぶかという点です。どちらが良いかというのは、自身の子どもの性格を見極めて合う方を選ぶと良いでしょう。
集団授業は、「友達と一緒なら通える」というタイプの子どもや、比べられることが苦にならない子ども、周囲の影響を受けて頑張る気になれる子ども、集団のなかでも質問ができる子どもに向いています。
個別授業の場合は、一人でもコツコツと頑張れる子ども、集団のなかで質問をするのが苦手な子ども、塾以外にも習い事が多く、スケジュールの管理が難しい場合などにおすすめです。
まずは集団授業の体験授業を受けてみて、集団にするか個別にするか検討するというのもひとつの手です。
6. まとめ
失敗しない塾選びのためには、塾に通う目的を明確にし、子どもの性格の分析と塾のリサーチを十分に行うことをおすすめします。特に中学受験を控えている場合は、受験が近づくにつれて塾の変更が環境的に難しくなってきます。「思っていたのと違う」と疑問に思ったら、早めに他の塾のリサーチを開始しましょう。
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